あおい歯科
あおい歯科
Oct 27, 2022
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表面性状のわかりやすい写真を撮るために、今回はセラミックのサンプルを使って接着前処理のステップ写真を撮りました。これは実際の臨床で審美歯科領域のセラミック修復する際に用いるテクニックと全く同じです。 下記の行程で処理して接着すると割れて外れることは、まずありません。 セラミック修復=割れる、というイメージがあるかと思いますが、 割れてくる原因のほとんど全ては接着力不足です。 ほとんど全てのクリニックでは写真2枚目から6枚目までを省略して7枚目のシラン処理だけ行なっています。技工室が併設されているクリニックならば、2枚目(サンドブラスト処理)は行なっているはずですが、重要なのは3枚目からのフッ化水素酸処理です。これを省略すると、接着力を充分に得ることができず、早期に破折脱落します。 1枚目: 処理前の接着面。 2枚目: Φ50μmの酸化アルミナの粉を0.2MPaで吹き付けて清掃した後の接着面。 3枚目: 9.5%フッ化水素酸で180秒処理中の接着面。 4枚目: 同処理後水洗、乾燥させた接着面。白っぽくなっているのがわかります。表面の構造が複雑になっているので、乱反射して白く見えます。 5枚目:37%リン酸で清掃。 6枚目:リン酸を水洗、乾燥後。 7枚目: シランカップリング処理後。 実際の診療時は患者さんが来院後に該当歯の清掃を念入りにに行った後、実際に患者さんの歯に隙間なく適合するかチェックします。 その後、歯の周囲の歯肉に血管収縮剤(ボスミン)などを用いて止血を行なっている時間を利用して、ステップ写真の1から8まで行います。 ジルコニアなどの非常に割れにくい素材で修復した場合は、装着後に割れて外れてくる可能性が低くなりますが、ジルコニアを噛み合わせの面の表面に使うと硬すぎて噛み合わせの歯をすり減らしてしまったり、歯の根が折れたりします。 ジルコニア=ダメ、ではないですが、使い方を間違えると歯をダメにします。